福井で小さな本屋はじめました。

JR福井駅前に小さな新刊書店「わおん書房」ができるまでとそれからの記録

未完の事業計画書

こんにちは、わおん書房です。

 

 まだ、本屋になろうと決意する前、とても感銘を受けた本があります。

東京の神保町にあるカウンター12席だけの定食屋「未来食堂」オーナーである小林せかいさんのこちらの本です。 

 小さな定食屋さんだからといって侮るなかれ、いろいろな意味ですごいお店です。

まず、お店のシステムがユニークです。

 

・ランチは日替わり定食1種類のみで900円。

・夜は普通の定食に加え、400円で小鉢料理を「あつらえ」てもらうことができる。

・「まかない」といって、50分店で働くと1食ただで食べられる。

・店の入口に「ただめし券」があって誰でも使うことができる。

 

ランチを日替わりのみとするのは、メニューを1種類にすることで料理の提供時間を短くし、お客さんの回転率を上げるため。また、これにより食材の無駄をなくすこともできます。メニューは1種類だけですが、おひつからご飯を好きなだけよそって食べることができるといった工夫もあります。

このように、ユニークなシステムには、ちゃんとした根拠と計算があります。

 

そして何より私が驚いたのが、小林せかいさんが事業計画書をブログで公開していたこと! 

miraishokudo.hatenablog.com

 

不透明で閉ざされた飲食業界に風穴を開けたいというのがその目的だったようです。

『自分の知識を周りに隠しておくことで勝者となる』
非常に分かるし、既存のビジネスの在り方だと思うのですが、私はもっと新しい在り方があると思います。知識のシェアです。 

 こうした考え方に至ったのは、小林さんがIT業界で長く働いていたことが影響しています(なんとバリバリのリケジョ!!)。

そして、未来食堂のシステムは誰にも真似できないという自負もあるようです。

 

「すごいなぁ!」

感動しやすく影響されやすい私は、本屋になろうと決断したあと、さっそく真似して事業計画書の作成をはじめました。

そして立派な事業計画書が完成!…していればよかったのですが、いまだ未完のまま。低い粗利率を補うために劇的に売上を伸ばす方法でも思いついていれば鼻高々に公表できるのでしょうが、そんな方法、しろうとが簡単に思いつくはずないですよね(笑)。

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*いまだ未完の事業計画書…

 

でも、事業計画書を作成することで自分なりの店のコンセプトが明確になったり、数字の検討ができたりとメリットはたくさんありました。私の場合、結局申請には至りませんでしたが、補助金申請の書類作成にも役立ちました。

 

何らかの形で文字に落とし込むという作業は、思考を深めてくれるような気がします。考えがまとまらずに困ったとき、試してみてはいかがでしょう?